2024年カードコラム「ドライフラワー」
娘が誕生日に贈ってくれた、草花ノ香リさんの花束が少しづつドライになって、小さな木の花器に移し替えた。
ずっと机に飾ってあって、何か描こうと思った時に目に入った。
小さな花弁の重なりが、繊細な存在でもしっかり意思を持ってこっちを眺めている。
普段忙しいと目に入らないのに、きちんと椅子に座ると目に入ってくる。
もしかして私がみているこの世界は、一晩の夢のようなもので、ドライになった花たちの方が私を観察しているのではないかという気がしてくる。アトリエとは名ばかりの、道具部屋の中でひっそり主人がやってくるのを待っている。まるでトイ・ストーリーのオモチャのように。
時には小瓶の花の立場になって、この世を見てみるのもいいかもしれない。
この世は奇妙な不思議な世界に満ちている。
で、このカードだった人はそれで?って思われそう。直面している事柄も、立ち位置を変えてみると、それって本当に重要なこと?って花たちは教えてくれるのではないでしょうか。
2024年カードコラム「寝子(ねこ)」
猫は日長寝てばかり。夜行性だしねと言うと
「猫は薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)で、明け方と夕方にかけて行動が活発になる、つまり薄明かりくらいに動いてる」
と雑学の記憶力が豊富な次男が教えてくれた。
まあ だから昼間はよく寝てるっていうことね。
我が家の末っ子の猫は、一時期仏壇の上がお気に入りだった。ご法度中のご法度な場所を選んで、家族も「じいちゃん、ばあちゃんごめん」と思いつつ、その姿がこの場を守る主のように、堂々と寝ていた。
ワタシも礼儀とかマナーとかルールに振り回される時がある。自分の「正しさ」の物差しを振りかざす。
気遣いと気をまわすのは違う。寝子(ねこ)のように自然体でくつろぎ、穏やかな時間を纏って歩みたいものだ。
2024年カードコラム「マーカー」
「マーカー」
私の好きなイギリスのWinsor & Newton という画材メーカーの水彩マーカーです。
画力が追いつかず、このカードをひいた方は、クレヨン?色鉛筆と思われたかもしれません。
絵を描く、ということを何か特別な事と感じて、上手いから下手だからと、その機会を遠ざけてしまっていることが多いのではと思います。
そんな方には、今まで手に入れたことのない画材をほんの少しだけでいいので、お持ちになるといいと思います。
この水彩マーカーも発色が良く、筆に絵の具をつけて描いているようなマーカーです。
ただ塗るだけでも楽しい気分になるでしょう。決して、この道具を勧める広告ではありません。
道具も、たまには使い慣れたもの以外を試すとぐんと世界が広がることがあります。それは道具だけでなく、モノの捉え方も変えてみると、世界は一瞬にして変化することに似ていると思います。
2024年カードコラム「柘榴(ざくろ)」
メリークリスマス 🎄
「柘榴」
昔住んでいた家の前のお宅になっていた柘榴の実から、うちの家に種子が根付いたのか庭に育って実をつけるまでになりました。
丈夫な樹だそうで、あの地味目な硬い表皮を破ると、ルビー色の実がぎっしり詰まり美しい果実です。
ギリシャ神話にも登場して、豊穣の象徴、子宝を意味するともあります。
なんとは無しに、描きたくなる、そんな魅力を持った柘榴です。
あの硬い表皮は、たくましく、そして内側は艶やかで美味しく、栄養価値も高い。
まるで女性のしなやかに強く、内面には情熱や可愛らしさを表しているようにも思います。
内と外では違うものが両立している、そんなところが女性的なイメージです。
2024年カードコラム「鍋」
このカードシリーズを毎年アップする時、わさわさしている時は全くイメージすることができず、自分の中にある空間が生まれてくると、何かが滑り出してきます。
「鍋」
15枚のカードのうち、この1枚はカードを横にして描いています。横に描くのは無意識にスローダウンする時のようです。
火にかけたお鍋で、何かお料理ができています。
おでんだろうかな(たまにですがおでん作りに没頭する時があります)
シチューかな?カレーではないかも。
このカードをひいた友人がいました。働き盛りの旦那さまが入院され、友人も仕事を一旦休止してお見舞いの毎日。ちょっと今までの忙しい日々がストップしました。
この鍋って家にあるイメージです。お家で時間をかけて作る料理。大きめの鍋で数日分を作るような。部屋中に、料理の匂いがしてきて。
そんなゆったり家で過ごすイメージがしてなりません。
どう感じるかは、人それぞれです。
鍋でゆっくり煮込んでいく時間は、あなたにとってどんなものか想像してみてくださいね。
2024年カードコラム「掃除」
クリスマスが近づいてきました。
コラムが大幅に遅れています。
ピッチをあげていきましょう。
「掃除」
カードをひいた方が、「片付けなくちゃ、って気になる」って言われてました。
「掃除」と「片付け」は似て非なるものですが、人は道具を見て、自分の気になるところを連想するのかもしれません。
箒そのものが好きです。
箒で掃いて、雑巾がけなどしようものなら、それは室内が✨きらりんとします。掃除機でも埃は取れますが、ずいぶん「気」みたいなものが違います。
ついでにハタキかけも加われば、年末大掃除ですね。(よほどのことがない限り、そんな掃除はしない日常です)
で、このカードの意味は?と思われた方ごめんなさい。特に意味はありません😀
このカードをひいて「掃除しよう!」「掃除しなくちゃ」「たまには掃き掃除もいいかも」などそれぞれでしょう。
どこを掃除するのか?私の心の中を掃除するのか?
2024年 どうしてこのカードだったか1年後の今頃、ご自分に問いかけるのもいいかもしれませんね。
2024年カードコラム「眼鏡」
「眼鏡」
「幸せとは、まやかし」かもしれない。
「幸せ」を探す眼鏡をかけている。
幸せになることがゴールのように。
幸せという実態はないものに、
何かの形を当てはめて追い続けている。
でもそろそろ、その眼鏡は外される。
「幸せ」というゲームは終わっていく。
しばらくは焦点がぼやけて、霞んでいるだろう。
どこを歩いているかもはっきりしないだろう。
そんな辿々しい歩き方をしていくうちに、
新しい見え方のする眼鏡をかけていることだろう。