2024年カードコラム「背中」
猫に背を向けられた。あるいは、猫のように背を向けた。
年齢を重ねると、どこまでが現実でどこまでが自分の想像なのか、境目がはっきりしない。今年の11月に起こった話。
着物イベントやその他の行事が終わった途端、家族がかかっていたインフルエンザにとうとう私も罹った。
今までの疲れも溜まってたらしい。家事も最低限で家の中は荒れた様子。
有難いことは5日ほどの待機を堂々とれること。そんな休憩時期に1番年下の猫が家出した。(先述のブログで仏壇で昼寝する子)
時々家の周りを遊んで、夕方帰ってくる子だけど、流石に各方面に連絡して探し出す。お腹も減ってるだろう。寒い中どうしてるだろう。たぬきに襲われてるのではないか。心配は続く。
すると5日目に帰ってきた。さっき家を出ました、っていう美しいままで。
その2日後、寝転んでる彼女を撫でながら、どこに行ってたんよーって話してたら、私の中に彼女のテレパシーで
「あのさ、猫のこと忘れるほど、必死になってやることってある?」「頑張ってても心を無くすまでする必要ない」
とはっきり意見がとんできた。
それは私の心の声だったかもしれないけど、ある人から言わせると 猫は住人の変化を鋭く読み取っているということ。
私を監視している彼女は、ちょっと気がついてほしい行動をとったのかもしれない。
足元を見ることを忘れて、人の期待や自分の心配で前へ前へ行こうとする時がある。そんな期待や心配に(自分で作ってるのだけど)背を向けて、今一度、今を呼吸をすること。
この年の瀬に改めて、毎日言い聞かせている。