2023年カード解説「自分域」
2023年版の紋章カードの解説です。
今回は趣向を変えて、物語をつづっていきます。
どこかの誰かの、カードが伝えてくれる物語です。
「自分域」
星々は、すべてが僕を見ているように在る。
ちらっと視線が合った流星群を率いるシルファーが
「あちらで会った時もよろしく!」と合図を送って立ち去っていく。
ゼリーのような集合体は、微細な星のかけらを各々のエナジーで結びつけながら浮遊する。数えるのは不可能な存在たち。けれど僕のようなものには出会っていない。
自分のようなものに出会えないので、自分で推し量るしかない。
いつだって「自分域」だ。
けれど、自分に似た存在でなくても、仲間がいる。
それぞれが「自分域」をもった存在たちだ。
ある意味、自分を棄てた自分たちの仲間だ。
今宵も彼らに手を振って小旅行を続ける。