さとこ虫ブログ

イラスト制作を中心に活動する、さとこ虫ワールドを綴っていきます。

2023年カード解説「独創性」

12月になりました。
おかげさまで異例のスピードで、私の手元に残っているカレンダーが僅かとなってきました。

2023年カレンダーのカードは、今年版と違って暦のイラストとは別にしました。

そして今までずっと16枚のカードにしていましたが、今回はすこーし大きめにして15種類になりました。

12月から解説を始めます、と公言していました。
早速始めましょう(3日過ぎてしまいました、、)

そして、今回は趣向を変えて、物語にしていきます。

どこかの誰かの、カードが伝えてくれる物語です。

 

「独創性」

 

 

今日のミーティングも疲れた。

誰も目を合わせない。

私の意見なんて言えるはずがない。

 

ずっと、感じている違和感。

 

ちょっとでも 本音に近い感じを言おうもんなら

「え~変わってますね」

という便利な言葉で置いていかれる。


私のものごとの捉え方は変だ、自分でもわかってる。

渡り鳥は どうしてきれいな編成で飛んで南へ向かえるのか、そう考えだすと今 何をなすべきか、忘れてしまう。

いま、かすかに膝に当たった植物の香りが、何かの匂いと同じだと思うと、立ち止まって思い出したくなる。

 

私の王国の中では、私は独創性の国王だ。

 

いつのときか、この国に住人が少しでもやってくればと思っている。

でもきっと、そんな者はやってこない。

 

だけど、少し気づいたことがある。

それは 数人が乗ったバスの後方に座ろうとした時だ。

 

一番後ろに座っている初老の老人が、窓の外を眺めて

街路樹のカエデの落ち葉に見とれていたようだった。

その瞬間、

ああ、この人も私とは別の「独創の王国」の国王なのだ。

と直感が走った。

 

真実なんてどうでもいい。

 

ここにいるのはもしかして、

独りぼっちの国王だらけなのかもしれない。


追記
人は共感できることに安心したがりますが

創造の砦は、人との違和感、疎外感、非共感を受け入れたときに育っていくものでないかと思います。

独創性とは、そんなことでもあります。